2009/08/19

第2回BRSAセミナー報告

第2回BRSAセミナーが7月12日午後1時30分から5時にかけて巣鴨地域文化創造館多目的ホールで開催されました。

参加者の数は約70名前後でした。

いわゆる「在留カード」の問題、在留特別許可の新ガイドラインといったタイムリーな話題から、日本の難民政策の分析とビルマ難民へのアドバイス、さらにはビルマ難民の歯の健康にいたるまで、非常に充実した内容となりました。

セミナーの主な内容は次の通りです(司会:フラティントゥンさん・事務局長)。セミナーの間中、通訳をしてくださったミャテインさんにはこころから感謝申し上げます。

1)大瀧会長挨拶。

2)西田敦先生(本会顧問)が、「4日前法律が変わった! 仮放免中の難民申請者はどうなる?」と題して、新しい入管難民法と住民基本台帳法について解説を行い、この問題に関するこれまでの本会の取り組みを紹介しました。

2)メイン講演。 講師 ウー・シュエバ・田辺寿夫
今回の講演では田辺先生にビルマ語で語っていただきました。日本社会がどうして難民を受け入れないか、そして日本社会が難民を受け入れるようになるためにはどうしたらよいか、BRSAのメンバーはどうしたらよいのかという問題に関して深いご指摘をいただきました。

田辺寿夫先生と通訳のミャテインさん

以下はその内容の要約です(文責・熊切)。

①日本の難民政策・・・外国からの圧力によってイヤイヤ難民を受け入れてきた。その背景には、江戸時代の鎖国があり、そのため、日本は外国人を容易に受け入れない国となってしまった。

②日本人のアジア人に対する2つの態度。

ひとつは「脱亜入欧」という言葉に代表されるように、自らをアジア人とみなさず、アジア人を軽蔑する態度。これは日本のアジア各国の植民地化に結びつき、ビルマ人に「ファシスト」と呼ばれるまでになった。

もうひとつは、同じアジア人として助け合おうという態度。こうした仲間意識も古くからあった。

③BRSA を含むビルマ難民は、日本人に積極的に話しかけ、ビルマのこと、自分のことを伝えなくてはならない。そうすれば、まず日本人の難民に対する理解が変わり、 難民にとって住み良い社会へと変わる。さらに、日本人がビルマの問題をよく理解すれば、それがビルマの変化にも通じる。

そのためには、ビルマ難民は日本のこと、日本語を一生懸命勉強する必要がある。

3)大川秀史弁護士(本会顧問)より、2日前に発表されたばかりの「在留特別許可の新ガイドライン」について説明とコメントをいただきました。急なお願いにもかかわらず、お話しくださった先生に感謝申し上げます。

大川先生

4)副会長、事務局長、各部長による活動報告。

タイ・ビルマ国境の難民の子どもたちへの支援について
モータウッチェ図書館より感謝状をいただきました。


5)在日ビルマ人の多くがお世話になっているカクデンタルオフィスの賀来先生よりご挨拶をいただきました。日本に来てから歯を悪くしているビルマ人が多く、その理由はストレスにあるのではないか、というご指摘は興味深いものでした。

カクデンタルオフィスの賀来先生

6)記念写真撮影をもってセミナー終了。

集合写真

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